歴史館(宝物殿)
当宮は国の重要文化財9点、県・市指定文化財8点、ほか約500点の宝物並びに多数の古典籍を収蔵しています。重文「紙本著色松崎天神縁起絵巻 箱入」は応長元年(1311年・鎌倉時代)に制作されました全6巻からなる絵巻物です。
天神縁起は中世につくられた社寺縁起の中でも、現存作品数において他を圧倒しています。
その数多い天神縁起の中で松崎天神縁起絵巻は、制作年の明らかな稀な作例でかつ破損や散逸のない完本として貴重な存在とされ、さらに濃密で華麗な色彩と的確な描写は鎌倉期の絵巻中でも類例が少ないといわれています。
このように本縁起は当社の創建由来のみならず、絵画的価値また中世の天神信仰の伝搬発展を伝える文化的価値からも、今にそれを伝える特筆すべき絵巻といえましょう。どうぞ御鑑賞くださいませ。

拝観時間:9時~16時30分
拝観料:大人500円(団体20名以上400円)
※高校生以下入場無料
拝観時間:9時~16時30分
拝観料:大人500円(団体20名以上400円)
※高校生以下入場無料
生誕190年記念展示
木戸孝允の面影
令和5年2月19日~9月10日


木戸孝允(1833~1877)は薩摩の西郷隆盛・大久保利通と共に「維新の三傑」とされる。萩城下江戸屋横町の長州藩医和田家に生まれ、9歳で桂家の養子となり、桂小五郎と名乗った。
藩校明倫館に学び、嘉永5年(1852)、江戸へ出て、斎藤弥九郎に剣を学ぶ。
翌6年6月、ペリー提督率いるアメリカ艦隊が浦賀に来航するや、外圧に対する危機感を強め、江川太郎左衛門に師事して西洋砲術を学んだ。長州藩の革新派官僚として、京都を中心に尊王攘夷運動に奔走したが、元治元年(1864)7月、禁門の変で敗走後は但馬地方(現在の兵庫県北部)に潜伏。慶応元年(1865)に帰藩後、藩政府の中心人物となり、藩命により木戸と改姓して、貫治、準一郎と名乗った。薩摩藩との提携に成功し、討幕運動を指導して、王政復古の実現に多大なる功績があった。
維新後は総裁局顧問、参議、内閣顧問など、要職を歴任。版籍奉還、廃藩置県を推進して、外圧に屈しない中央集権国家の基礎を築く。明治4年(1871)には岩倉遣欧使節団の副使として、西洋12カ国を視察。帰国後の明治6年、征韓論に反対し、台湾出兵にも異を唱えて下野したが、大阪会議で参議に復帰した。西国巡幸に随行するも京都で病が悪化し、他界した。
本展では木戸の詩歌などの遺墨の他、近年発見された死去直前の史料などをご覧いただき、近代日本への道筋をつけた不世出の政治家の面影を偲んでいただければ幸いです。
松崎天神縁起絵巻の紹介
『1200年前に実在したスーパーヒーロー』
『絵巻と箱の謎』
『多くの人に影響を与えた絵巻』
『絵巻は地図だった!?』
『絵巻から探る700年前の風景』
『絵巻の紙に隠された秘密』
書籍紹介